かつて、魔王サタン・ジャコブ率いる「魔王軍」は聖十字大陸エンテ・イスラを席巻していたが、勇者エミリア率いる「反抗軍」に追い詰められ、腹心の悪魔大元帥アルシエルと共に異世界へつながるゲートへの撤退を余儀なくされる。ところが、ゲートの向こうに広がる異世界とは、現代の日本であった。
現代日本では魔力の概念が存在しないため、エンテ・イスラへ戻るためのゲートを開くことはおろか魔力を回復させることも難しい。東京の笹塚にある六畳一間風呂無しのアパート「ヴィラ・ローザ笹塚」の201号室を当面の住居「魔王城」としたサタンとアルシエルはそれぞれ「真奥貞夫」と「芦屋四郎」へ名を変え、真奥は日本征服のための足がかりとしてファーストフード店でフリーターから正社員の座を目指してのアルバイトに励み、芦屋は魔王城で主夫業や情報収集に励む。
一方、サタンたちを追ってきたエミリアも、天界の力「聖法気」が存在しない日本では一般人に過ぎず、永福町にある八畳二間のマンションの一室を当面の住居として彼らと同様に「遊佐恵美」へ名を変え、携帯電話会社の契約社員として電話応対に励みながら真奥たちを監視し続ける。
しかし、事態はそれだけに終わらなかった。真奥へ想いを寄せるアルバイト先の後輩「佐々木千穂(CV: 東山奈央)」のほか、遅れて日本へやってきた悪魔大元帥ルシフェルこと「漆原半蔵」や、大法神教会訂教審議会筆頭審問官クレスティア・ベルこと「鎌月鈴乃」、そしてエンテ・イスラを追われた真奥どころか勇者である恵美すら抹殺しようと目論む面々が現れるなど、物語は2つの世界を股にかけた展開を成していく。