十二国記(第2期)

基本データ

作品名:
十二国記(第2期)
十二国記シリーズ)
よみがな:
じゅうにこくき
放送:
2003年 7月
話数:
全 6 話
制作:
studioぴえろ
みんなの評価:
話題性:
1
累計平均売上:
データ無し
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概要・あらすじ

概要

外伝作品である『魔性の子』については、魔性の子を参照。

「月の影 影の海」

日本で生まれ育った普通の女子高生・中嶋陽子は寝る度に恐ろしい気配に追われ、日を追う毎にその距離が縮まっていくという異様で怖い夢を見ていた。そんな陽子の前に、突如「ケイキ」と名乗る異装の男が現れる。ケイキは陽子を主と呼んで跪き、一方的に謎の盟約を迫る。突然の出来事に戸惑う陽子を異形の獣が襲撃、それを辛くも退けたケイキは、強引に陽子を月の影の向こうにある地図にない世界へと連れ去った。陽子はケイキから「決して剣と鞘を離さないように」と碧の玉が付いた鞘に収まった剣を渡され、「剣を振るえない」という陽子に自らのしもべの賓満・冗祐を憑依させ、陽子の意に反して陽子に襲い掛かる獣を体が勝手に動いて撃退するようにして、他のしもべに陽子を託して彼女を異世界に送り出した。

異形の獣の襲撃は月の影に入った後も続き、「敵の攻撃から目をつぶってはいけない」(賓満は憑依した者の目を借りて動くため)という警告を無視して目をつぶってしまったことがきっかけで陽子は、ケイキとそのしもべ達とはぐれ見知らぬ場所(巧州国、略称:巧国)にたどり着く。巧国では自分と同じように日本や中国からこの世界に流された人を徹底的に差別しており多くの場合は処刑されるため、陽子も役人に役所に護送される事になったが、その道中でまた異形の獣に襲われ、陽子は車の下敷きになった鞘から玉だけを切り外してその場を逃走する。全く事情が判らないまま縋る気持ちで現地の人間に助けを求めるも、“海客”として酷い仕打ちを受けたり、利用されそうになったりしたため、夢で見る元いた世界の幻で自分の周りにいた人達が自分の事を悪く言ったこと(実は剣が本当の事を見せていた)や青猿(その正体は陽子が無くした鞘に封じられていた妖魔。剣と鞘が離れたため封印が解けた)の讒言もあって陽子は徐々に人間不信に陥る。人目を避けつつ、なおも襲撃を続ける異形の獣(妖魔)と戦い続ける陽子は満身創痍となり、行き倒れたところを楽俊に救われる。楽俊は陽子を介抱し、さらには海客に対する保護体制が整っている雁国(雁州国)への道案内を買って出る。道中に妖魔と遭遇しそれを退ける陽子であったが、衛士(警備兵)に見つかるという恐怖から、倒れている楽俊を見捨ててしまう。後にそれを後悔する陽子であったが、同時に「口封じに楽俊を殺す」という選択肢を選ばなかった自分に安堵する。そして、「口封じにあのネズミを殺せばよかったのに」と言った青猿を殺すと、無くした鞘が現れた。楽俊との再会はかなわず、陽子は一人で雁国を目指す旅を続けるのであった。

雁国へたどり着いた陽子を待っていたのは楽俊であった。楽俊は先に雁国に渡り、港で働きながら情報を集め、陽子を待っていたのだという。再び二人旅となった陽子たちは、雁国で暮らす海客「壁落人」を訪ね、そこで陽子が胎果であることを知る。その後、陽子と楽俊の何気ない会話で楽俊が「台輔にお目通り願うか?」言った事から陽子がケイキとそのしもべのやり取りを思い出し、「台輔」(宰輔の敬称)という単語がきっかけでケイキとは慶東国(略称:慶国)の麒麟の「景麒」であり、景麒が「主」と呼ぶならば陽子は巧と雁に挟まれた国である慶国の王「景王」であると告げられる。陽子が神である王だと分かり距離を置こうとする楽俊に対し陽子は「私にとっては一歩の距離しかない」と楽俊に言い、それに楽俊は「おいらにとっては三歩だ」と返事をして今まで通りの接し方をしようとする。楽俊から慶王保護の延台輔宛ての書状を受け取り陽子らを妖魔の襲撃から助けた延王から「王は麒麟に跪かれた時点で人として死に、麒麟の霊力で神として生かされる」、「日本に戻ればお前は短い間しか生きられず、その上、慶国の民が大勢犠牲になる」と聞かされ、日本に戻るのか、景王になるのかの選択を迫られる陽子であったが、見るに見かねて「無きものとして振舞え」(陽子が体が勝手に動くのと冗祐の感触を嫌がったために下された命令)という主の命令を破った冗祐から言われた「玉座を望め。そうすれば道は開ける」という言葉に従い、延王の助力を受け、慶国に立った偽王・舒栄を討つことを決意する。

「風の海 迷宮の岸」

蓬山の捨身木に戴極国の麒麟の卵果・泰果が実り、母親代わりとなる女怪が生まれ、蓬山は麒麟の誕生を待っていた。しかし、突如襲来した蝕に巻き込まれ、泰果が流されてしまった。

それから10年後、泰麒は延麒によって蓬莱で発見され、廉麟の助けを受け、女怪の白汕子が泰麒を連れ戻すことに成功する。普通の人間として育った泰麒は、最初こそ戸惑うものの、程なく蓬山の生活に慣れ始める。だが、身の回りの世話をする女仙から「麒麟は人ではなく獣であり、獣の姿に転変する」、「麒麟は天啓を受けて自らの主である王を選定する」と知らされ、更に麒麟の能力を使えない泰麒を思い女仙の長・玉葉が招いた景麒から「麒麟は妖魔を折伏して使令にする」と知らされ、生まれたときから人間の姿で今も転変できない自分は「麒麟の出来そこない」ではないかと思い悩む。泰麒を泣かせたことで女仙から責められた景麒は、その後泰麒に麒麟の能力や役割を伝授していくが、結局この時は折伏は出来ず、自然に出来るようになる転変の仕方については教えることが出来なかった。

同じ麒麟として慕った景麒が慶国に戻り、麒麟としての自覚を持てないまま戴国に麒麟旗が掲げられる。泰果の失踪により長年王不在が続いていた戴国の民は喜び、昇山者が続々と先を競って蓬山に集ってくる。天啓が何なのか判らないながらも女仙に付き添われて昇山者と対面する泰麒は、騎獣をきっかけとして承州師将軍の李斎と知り合う。また、昇山者同士の喧嘩で出会った禁軍左軍将軍の驍宗には、恐怖に似たものを感じる。その後も度々李斎の下を訪れ、驍宗とも会話を交わすようになり、彼らが蓬山を去る間際には一緒に騎獣狩りに行くほどの仲になっていた。女仙の反対を押し切って同行した騎獣狩りの最中、李斎が見つけた洞窟に入った3人は、泰麒が嫌な胸騒ぎを感じた直後、内部に潜んでいた妖魔に襲撃される。李斎が囚われ、驍宗も弾き飛ばされ、泰麒は一人で強大な妖魔・饕餮と対峙することとなる。それまで一度も妖魔を折伏できずにいた泰麒であったが、初めて折伏に成功し饕餮を使令に下すのであった。

そして驍宗が蓬山を去る日が訪れる。王になれなかったら禁軍を辞め黄海に入ると驍宗から聞き、蓬山に昇山出来るのは一生に一度だけ、と女仙から聞いた泰麒は驍宗に感じる感覚に戸惑いながら、離れたくないと思う感情が抑えきれずに走り出す。泰麒の姿は、燐光を放って夜を駆け上がっていく漆黒の獣と化していた。

驍宗を王に選定した泰麒だったが、「驍宗の傍に居たいがために、天啓が無いのに偽者の王を選んでしまった」と思い悩み後悔し続けた。天勅を受ける儀式で罰を受けると思っていたが何事も無く、それが余計に泰麒を不安にさせ、泰麒の様子を伺いに載国の王宮を訪ねた景麒に「偽者の王を選んでしまった」事を打ち明ける。その事を知った景麒と驍宗は、誼がある延王を載国に呼び、泰麒に延王に対し叩頭礼をするよう命じる。言われるまま叩頭しようとしても体が動かない事で泰麒は「麒麟は自らの主以外に叩頭できない」という事を身を以って知り、景麒から彼が舒覚を王に選定した時も「この人は王になるべきではないと感じた」と聞かされ自分が運命に身がすくんでいたと言われる。

「東の海神 西の滄海」

延王・尚隆、延麒・六太は共に胎果であり、蓬莱で生まれ育った。六太は戦乱の中で親に捨てられた経緯から国を統治する者の存在を嫌い、蓬山に帰還した後も王を選べず、蓬莱へと戻ってしまう。その蓬莱で出会ったのが、滅亡に瀕した小松水軍を率いる小松三郎尚隆であった。会った瞬間に王気を感じた六太であったが、前述の理由により誓約を交わすことはなかった。しかし、尚隆の命を懸けて民を守ろうとする姿勢に自らの理想を重ね、絶体絶命の尚隆を助け、延王として十二国へと連れ帰った。

それから20年後、雁国は荒れた荒野から緑の大地へと復興を遂げていた。しかし、元州では治水の権限を王が奪ったままなのに梟王時代に破壊された漉水の堤が復旧されない事に州城の苛立ちが募り、謀反の動きがあるという情報があった。そしてある日、六太の古い親友である“駁更夜”と名乗る少年が玄英宮を訪れることから事態は進展する。妖魔の口の中に入れた赤子を見せて、この赤子の命が惜しければ言うとおりにしろ、と六太をおどした更夜は六太を元州城へと連れ去り、元州の令尹・斡由は六太に「漉水の堤」を名目として、天網で禁じられている「上帝位の新設」を奏上した。権力者の存在に否定的な六太はこれを拒否し、牧伯(国から地方に派遣される監督官)の驪媚と共に額に赤索縄(一つが切れると他の綱が絞まる呪)を巻かれて神仙の力を封じられ、首に赤索縄を巻かれた赤子と共に3人で元州城の内宮の赤索縄が張り巡らされた牢に監禁されてしまう。

尚隆のもとへも同様の要求が伝えられたが彼がこれを拒否すると、成笙を元州に派遣し、道中で民を募って漉水の頑朴(元州の州都)の対岸に堤を築くよう指示する。そして尚隆本人は正体を隠して元州に行った際に元州師から勧誘を受けた事を利用して元州師に潜り込んだ。国府には宰輔の危機を聞き徴兵を希望する民衆が国内各地から押し寄せ、支援を申し出る郡や郷が沢山現れた上に、尚隆の計略もあって斡由があてにしていた諸侯諸官が宰輔誘拐という強攻策に反発して寝返るなど、事態は斡由に不利に動いていく。更に雨季が始まり、雨の中で対岸にのみ堤を築かれることに危機を覚えた斡由は州師に対岸の堤を切るよう指示、州師と民の戦いとなり王師が民を守るという、「民のために堤を」を掲げる斡由にとっては皮肉な構図になってしまう。

一方、元州城の内宮では「誰が上に立っても同じ」と言う六太に対し驪媚が「宰輔が選んだ王以外のものが国権を握ってはならない」と返す問答が繰り返されていた。驪媚が、天帝の罰が及ばない仙が国権を握る事の恐ろしさを六太に説いても彼は権力者の存在自体を拒否し続けた。ある日、いつものように押し問答をしていた二人だったが、驪媚が突然、六太を逃がそうと彼の赤索縄を切ってしまう。赤索綱が切れた事を知って駆けつけた更夜は驪媚と赤子の血を被って呆然としていた六太を目撃する。更夜は再び六太の額に赤索縄を締める際に今度は角を外して締めた。その後、六太は血に酔って具合が悪い体で元州城から脱出しようとするも地下迷宮に迷い込んでしまう。六太はそこで牢に閉じ込められた先の元州候・元魁と遭遇し、斡由の過去や人となりと、斡由の目的が自分が誉められる事と権力を手に入れることだけであることを知り、斡由は民のためにならないと確信する。その後、近辺を警邏していた尚隆によって迷宮を抜け出せた六太は斡由と対峙し自分の考えを伝えるが、斡由は非を家臣の白沢や更夜へ転嫁することを試みる。しかし、大僕(王や州候の私的な護衛)としてその場に紛れ込んでいた尚隆によって全てを断罪され、怒りから斡由は尚隆に斬りかかるが、最期は六太の使令によって瀕死の重傷を負い、尚隆に介錯され絶命する。

「風の万里 黎明の空」

陽子が景王となって1年、玉座にありながら冢宰の靖共ら官吏の顔色をうかがう自らの姿に苦悩を感じていた。特に皆がいつも自分に対して平伏する事については、自分が通りかかる度に相手の仕事の手が止まる不合理さに悩み、相手の顔が見えない事に少々不信と恐怖を感じていた。そんな中、太師に謀反の疑いが掛けられ、陽子は靖共の言うがまま謀反に関わったとされる人を処罰し、監督責任を怠ったとして靖共を太宰に降格、政治の実権を握らせるべきではないとされる景麒に「自分よりこの国のことが分かっているから」と次の冢宰が決まるまでの間として実権を握らせた。そして陽子は、この世界の理も、国情も知らない自分に憤りを感じ、自ら市井に降りることを決意する。景麒の勧めにより遠甫という老人のもとで理を学ぶこととなるが、和州で暴政が行われているという噂を確かめに和州に出かけた間に里家が襲われ遠甫がさらわれた事から虎嘯らと出会い、和州の乱へと繋がっていく。

大木鈴はその100年ほど前に蓬莱から流されてきた海客である。長く才国の飛仙・梨耀から執拗な虐めを受け続けていたが、決死の覚悟で采王に申し立て自由の身となった。女性・海客でありながら王となった景王に興味を持ち慶国を目指す道中で清秀と出会い、妖魔から受けた怪我で衰弱していく彼を支え共に慶国にたどり着くが、彼は慶国和州止水郷で郷長・昇紘の馬車に轢殺されてしまう。自暴自棄となり、郷長・昇紘を庇う者の最上位にある景王を暗殺しようと才国の遣いを装い王宮に入る鈴であったが、景王不在の為その機会さえなく王宮を去る。虎嘯らと出会い宥められ、打倒昇紘の郎党に加わることとなる。

祥瓊は先の芳国の公主であったが、謀反によりその地位を失い、里家での貧しい暮らしや恭国での屈辱的な仕打ちが耐えられず出奔する。自分と同じ年頃で王宮に入った景王を妬み、逆恨みし、簒奪してやろうと慶国を目指していたが、道中で楽俊と出会ったことで考えを改めた。慶国の実情を知り、桓魋たちと出会った祥瓊は、呀峰討伐、和州の乱に身を投じることとなる。

陽子・虎嘯・鈴らは打倒昇紘を掲げ郷城へと乗り込む。郷城への突入は成功したが、呀峰は昇紘を庇うため州師を派遣する。州師相手では圧倒的に勢力の劣る虎嘯らであったが、桓魋・祥瓊らの加勢により戦況は一転する。しかし、続いて派遣されたのは王直属の禁軍であった。呀峰もまた靖共に庇われていたのである。王師(王が指揮権を持つ禁軍と首都州師の総称)を目の当たりにして動揺する人々の中にあって陽子は鈴と祥瓊の話を聞き、王としての責任を確信すると共に、王として行動する決意を固める。王の命令がない限り王師が動けない事をいい事に、陽子は景麒の背に乗り反乱軍が王の意思である事を知らしめ、王師に遠甫の救助と、呀峰と靖共を捕らえるよう勅命を出す。王宮に戻った陽子は遠甫を三公(王の相談役。政治の実権はない)の筆頭・太師に、鈴と祥瓊を自分の身の回りの世話をさせる役職に就け、桓魋を禁軍左将軍に、桓魋の上司であり、官吏に言われるがまま追放を命じた後失踪(護送中に靖共一派に襲われたところを桓魋らに救助され、身を隠していた)していた麦州候・浩瀚を冢宰に命じ、靖共派だろうが松塾(靖共らが敵視して焼き討ちした義塾。遠甫はそこの閭胥のような事をしていた。)出身だろうが関係なく個人だけをみる、と大規模な人事改革を宣言。そして景麒の「下の人々から見くびられます」という悲鳴のような諌言を無視して初勅として「人は敬意を持つものに対しては自然に頭を下げる」と平時の伏礼を廃した。

「図南の翼」

猟尸師を自称する朱氏の頑丘は金剛山の麓、恭国乾の町の宿屋で一人の少女と出会う。少女の名は珠晶、恭国首都連檣の商家の娘でわずか12歳。無謀なまでの威勢のよさを見せる珠晶は昇山すると言い、そのための道案内として黄海に慣れた頑丘を雇うと提案する。

安闔日を迎え、珠晶と頑丘は令乾門から黄海に入る。珠晶が旅の途中で一度出会った青年・利広とも再会し、他の昇山者と共に蓬山を目指すことになる。旅が進むにつれ、頑丘や近迫ら黄海に慣れた者たちは、この旅が都合よすぎると気づいていた。妖魔の襲撃が少なく、かつ安全に進むために効率がよく、その被害自体も少なかったからである。彼らはこの一行の中に「鵬(王となるべき人物)」がいると噂するようになっていた。

蓬山への道中に強大な妖魔が住み着いていることが分かり、頑丘らは森の中を迂回することを提案するが、室季和を筆頭に一部の昇山者はそのまま進むことを選ぶ。頑丘と喧嘩別れした珠晶は季和と行動を共にすることにするが、妖魔の襲撃に恐れをなした季和や騎乗の者達は徒歩の随従や荷物を捨て去り、一目散に逃げてしまう。季和の馬車に同乗していた珠晶は、そのまま逃げることより残された随従と合流することを選んだ。

命からがら黄朱たち一行と再合流した季和と逃げてきた者から事情を聞いた頑丘・近迫・利広らは、追ってくるであろう妖魔から逃れる蓬山への旅を急ぐことと、危険を冒して珠晶や残された人々を救うことの苦しい二者択一を迫られる。結局、頑丘と利広が珠晶の救出に向かい、残りの昇山者は妖魔から逃れるために先を急ぐことになった。一方、珠晶は取り残された人々と合流を果たし、協力して妖魔を倒すことを試みるが、珠晶は妖魔の最期に巻き込まれる形で行方不明になってしまい、その直後に頑丘らが到着するのであった。

一人はぐれた珠晶は何とか自力で元の場所に戻ろうとするも、自身の位置を完全に見失い、挙句に人妖と遭遇して窮地に陥る。だが珠晶を探すために留まった頑丘と利広に発見され、間一髪で救われる。しかしその際に頑丘は重傷を負い、血の匂いに妖魔が集ってくることが予想されるため、利広と珠晶に先に行くよう指示する。しかし珠晶は頑なに拒否し、利広のみが剛氏に救援を求めるためその場を離れた。乗騎の駮を犠牲にしてまで逃げようとした頑丘・珠晶は、駮共々犬狼真君に救われる。

真君と別れたところで利広と再会、さらにそれを追うようにして30余騎の集団が突如として現れ、その中には蓬山にいるはずの女仙達に混じって妖魔に跨り金の髪を靡かせる男の姿があった。

「黄昏の岸 暁の天」

泰王・驍宗が登極して半年が経過した。先王の時代から驍宗は優秀な部下を有しており、国府の中央は信の厚い人物で固められていた。その中、文州で乱が勃発する。もとより内乱の多い土地柄であり、驍宗ゆかりの轍囲が包囲されたため驍宗自らが出兵することになった。驍宗の身を心配する泰麒は、ただ2つの使令を驍宗のもとに差し向けるが、そこで謀反が起こったのである。待ち伏せを受けた驍宗は行方知れずとなり、泰麒も襲われて角を失い鳴蝕を発して蓬莱へ渡ってしまった。

それから7年の月日が流れた。その間に謀反の首謀者と思われる阿選が権力を握り、驍宗の臣下は次々と排除され、李斎も罪人として追われていた。追い詰められた李斎は最後の手段として、胎果で登極したばかりの景王を唆して泰王を救出させようと、慶国への脱出を決意する。

和州の乱から1年、慶国は新王のもとで安定を取り戻しつつあった。そんなある午後、金波宮の禁門に天馬に乗った瀕死の武将が舞い降り、戴国瑞州師将軍の李斎と名乗り、景王に奏上したいことがあると申し出る。拒絶しようとする閽人の対応に業を煮やした李斎は強行突破を試み、たまたま出会った大僕の虎嘯に助けられ、景王に泰国への助力を願うことを伝えて意識を失う。

載から脱出する際に妖魔に襲われ右腕を失い、意識不明状態から回復した李斎の懇願に動かされ、陽子は雁国主従に協力を仰ぎ、どのような助力が可能かを相談する際に「覿面の罪」を知る。そして碧霞玄君の助言を得て、各国の麒麟が協力して泰麒を捜索することになった。その捜索の為に慶に来た氾王・呉藍滌から李斎は彼が驍宗に贈った玉帯を見せられ、氾王は帯の切り口の状態から驍宗はまだ生きているかもしれないといわれる。泰麒捜索は難航したが、ついに廉麟が蓬莱で泰麒を見つけることに成功した。角を失った泰麒は麒麟ではなく人であるため虚海を渡れないと考えられたため、天網の条文の隙を付いた「他国の麒麟を戸籍に入れ三公に叙す」という手段を取り、延王が虚海を渡り連れ戻すことに成功したが、泰麒は角を失っていることで力が薄れ、また汕子と傲濫の蓬莱での行為により穢れていた。あまりの惨状に玄君の手には負えず、五山の主である西王母により清められるが、折れた角が再生されることはなかった。

泰麒は金波宮に戻ってしばらくの後に眼を覚ますが、直後に内宰と閽人が大逆を謀る。延麒の使令によりことなきを得たが、自分の存在が慶国に少なからず負担となっていると悟った泰麒は、隻腕となった李斎と共に戴国へ戻ることを決意する。夜明け前にこっそり出立しようとした二人だが陽子と延王、延麒に見透かされており、見送りにきた陽子に延麒からの餞別の旅費と延王の裏書がある旌券(暗いので裏書の存在に二人は気づいていない)を授かり、更に載に着くまで延王の騎獣を貸し出されて出立した。

「華胥の幽夢」

冬栄
驍宗の登極間もない戴国。泰麒は帰還の際のお礼を兼ねて、使節として漣国を訪れることになる。
泰麒ら一行は、半月の行程を経て漣国重嶺へ辿り着く。後宮まで招き入れられたことに泰麒らは戸惑うが、そこに畑を見つけて今度は驚いた。聞くとその畑を管理しているのは鴨世卓、廉王であった。蓬莱から帰還して日が浅く、政治のことも分からず戴国での自分の存在に悩んでいた泰麒であったが、廉王との対話を通じて「お役目」と「お仕事」の違い、そして麒麟はそこにいることで「お役目」を果たしていると教えられる。
乗月
芳国恵州州侯の月渓は、諸侯を束ね峯王・仲韃を討った。次の峯王が立つまでの仮王として月渓を推す声は強かったが、当の月渓は頑なにそれを拒み、恵州城に戻ってしまった。
ある日、慶国から青辛と名乗る使いが、景王から恵侯宛の書状を届ける。しかし、国に宛てた書状を、一州侯に過ぎない自分が受け取るわけにはいかないとこれを拒む。仕方なく冢宰にこれを預け、次いで一通の恵侯宛の書状を差し出す。書状の差出人は慶国下官、名を孫昭、先の芳国公主であった。それを知ってもなお受け取りを拒む月渓であったが、青辛の諌言を受け、仮王となる決意を固め、書状を受け取るのであった。
書簡
陽子と楽俊、かつて共に旅をした2人は、全く違う生活を送り、鸞で現状を伝え合っていた。
陽子は楽俊に「官吏とも問題がなく」と伝えていたが、実際は問題が起こるほど意見も出来ていない状態であった。楽俊は「生徒も教師も皆よくしてくれる」と伝えていたが、実際は半獣であることから苦労が絶えない生活を強いられていた。そんな嘘は互いに理解しており、それでもなお励まし合う仲となっていた。
華胥
華胥華朶、それは才国の宝重であり、枕辺に挿して眠ることで国のあるべき姿を見せるという。
国政に迷う采王・砥尚は、この宝重を用いて国のあるべき姿を理解する。砥尚はわずか8歳の采麟にこの宝重を授け、理想の世界に近づいていく様を見せることを約束する。しかし、采麟の見る国と砥尚の作ろうとする国は近づくことは1度としてなく、ついには采麟は失道してしまう。砥尚の思い描く世界は、国として到底成立するはずのないものであった。朱夏は、華胥華朶の本来の効果を悟るのであった。砥尚は自らの罪を認め、「責難は成事にあらず」との遺言を残し禅譲するのであった。
帰山
柳国は現劉王による厳格な法治体制の下で、安定した治世が120年続いていた。この柳国が傾きつつあるという。
その噂に引き寄せられ、利広と風漢は柳国首都・芝草で30年ぶりに再会した。この2人が出会うのは、いつも傾きかけた国であるという。2人は酒を酌み交わしつつ語り合い、それぞれの国へと戻っていった。

文庫未収録

漂舶
延王と延麒の出奔癖に頭を抱えていた帷湍、朱衡、成笙は、人事異動の際に尚隆から脅し取る形で得た地位を利用して王と宰輔の生活の締め付けを始めた。騎獣も徹底的に管理され、六太の「失道しそう」という言葉にも耳を貸さない。厳しさに耐えかねた尚隆と六太は珍しく結託して王宮を脱走する。令艮門へ行った六太は門番から、自分から更夜への伝言に自分が命じていない文言が加えられていることを知る。その文言が示す場所へ行くと、尚隆が冢墓と酒を酌み交わしていた。
丕緒の鳥
慶国の新王即位にともない、大射の準備を命じられた羅氏の丕緒は、蕭蘭が行方不明になって以来足が遠のいていた冬官の工房へ赴き、馴

レビュー・感想

陽子は国のことが分からず、官たちとも、ましてや補佐してくれるはずの景麒とも気持ちがすれ違いなかなか人の顔色を伺う癖がなおらない。遠甫のもとでまず十二国と蓬莱との違いを学び理解していく、それだけでも大変なのに、それが少し前まで普通の高校生だった陽子がいきなり景王となって国を治める事がどれだけ大変か・・・。登極したばかりの景王の大変さを想像しただけでゾッとする。(笑汗)
本作はそれまでの陽子-鈴-祥瓊に主眼のおかれた人間模様に加え、新たに魅力的な登場人物が物語に彩りを添えております。遠甫・蘭玉・セッキ兄弟(漢字が・・・)・浅野、そしていつもながらオイシイ役所の楽俊・・・或る者は助け、或る者は叱咤し、或る者は教え諭し、主人公達の疑念や心の葛藤を優しく解きほぐす。
「月の影」で王として国を背負うことを覚悟した陽子が、王としていかに国を治めるか、に苦悩し、それを乗り越える過程を描いた本作。テーマは「どん底からの成長」です。
物語の始め、陽子は再び顔色を窺う気弱に自分に気付き、民の為の王の姿を学ぼうと老師に教えを請いに街に降ります。
と、同時進行で、鈴と祥瓊という二人の少女の視点でも物語は語られます。
自分が可哀相で仕方ない鈴。華美な生活が忘れられず、逆恨みの権化と化した祥瓊。どちらも始めはどうしようもない自己愛者ですが、清秀、楽俊との旅を経てそれぞれ劇的に変化します。後に、陽子、鈴、祥瓊は邂逅することになるのですが、そこは何度見ても奮えます。
ちなみに、三人のこの後は小説「黄昏の岸」で描かれますので、のめり込んだ方にはそちらもオススメします。泰麒と陽子の出会いもありますし。
好きです!正直高いので迷いますが、作者へのお礼として
購入です。
別に買わなくてもユーチューブで見れます。違法かどうかは知りませんが、
あえて、削除してないのかなと感じます。
作品に携わる人ならユーチューブで閲覧できることを理解してますし、削除できることも
もちろん知っているはずです。あえて削除しないのは目的あってのことなのかな?と、
ですが、購入するのは、原作がとても素晴らしいこと、そのアニメであることだけです。
原作ありきでアニメ購入か?
アニメありきで原作購入か?
ここだと思いますが、私は原作も、アニメも買いますが、
もし、十二国記でユーチューブから視聴の違法性を主張し展開するなら、
私は作品として評価ゼロになると思います!
このアニメーションはNHK放映時からはまり、全巻DVDも購入しました。
それぐらいハマります。
まず、音楽がいいです。
ストーリーも申し分ない。
原作に登場しない人物を加えることで、話はよりスムーズに進行していきます。
そして何より、ケイキの声の子安さんがいい!
もう、ケイキに惚れてしまいます(*^_^*)
ちょっと暗めな原作の重さはそれほどアニメーションでは感じなく、しかし、大事な要素はしっかり受け継いでいます。
ぜひ、またアニメーション化されていない原作のアニメーション化希望したいです。
NHK作品!!、お値段は高めですが、買う価値ありです。
普通の女子高生が王様となるまでが月の影。
今回の風の万里は、王様となったものの、依然と変わらない行動をとっている主人公が、ある事件から、
これではだめだと気づき、下町で生活するなかで、友人・恩師・親友と出会い、成長していく姿が描かれています。シリーズで出ているので、そろえるのをお勧めします。
トータル的には及第点なのですが、何を勘違いしたのか
ありえない展開になって(逆に刺激的で良かった部分もある意味あったが)
何?この展開って驚きました。
映像化して映画として見るには原作のままだと盛り上がりにかけるのでしょうか?
とにかく次の作品に期待を込めて星3つでした。
今回このミニドラマCDのためにこのBLディスクを購入したといっても過言ではないくらい、期待していました。そしてその期待を上回る内容に感涙。時は赤楽4年。楽俊が大学を半月も前に卒業していた事を六太から知らされた陽子。もやもやとした気持ちを胸に秘めながら景麒と共に、楽俊の故郷(巧国)へ赴くのである。そこで陽子と言うより、景王(赤子)にたして、新たな感情を抱く楽俊に注目です!脚本をなさった曾川昇さんの手腕に改めて感服しました。できることなら、シリーズ全てをアニメ化して欲しいと望んでいます。いまだに^^;
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