概要
西暦2307年、人類は枯渇した化石燃料に代わるエネルギー源として宇宙太陽光発電システムと軌道エレベーターを実用化していたが、莫大な建造費が必要なこれらのシステムを所有しその恩恵が得られるのは「ユニオン」、「AEU」、「人類革新連盟」の世界三大国家群のみだった。それらの超大国間には全面的な対決こそ無いものの熾烈な軍備開発競争による冷戦状態が継続し、また、いずれの国家群にも属せなかった小国は貧困にあえぎ、紛争や内戦を繰り返していた。
ファーストシーズン
新型モビルスーツ(以下“MS”)の公開軍事演習を行っていたAEUは、突如所属不明のMS2機の襲撃を受ける。額に“GUNDAM”と刻印されたそれらの機体は、圧倒的な機動性と攻撃力でAEUのMSを破壊していった。同じころ、人類革新連盟の宇宙ステーションを襲撃したテロリストを、同様の刻印が施された別の2機が迎撃し、多数の市民の命が救われた。
この騒動にメディアが沸き立つ中、世界に向けて1つの声明が発表される。4機のMS「ガンダム」を所有する私設武装組織「ソレスタルビーイング(以下“CB”)」は、戦争・内乱など世界中のあらゆる武力紛争に同じ武力をもって介入し、戦争根絶を目指す集団であるという。それは「平和のための武力行使」という矛盾を抱える行為であった。
莫大なエネルギーを生み出す「太陽炉」こと「GNドライヴ」を搭載した4機のガンダムを操るのは、刹那(CV: 宮野真守)、ロックオン(CV: 三木眞一郎)、アレルヤ(CV: 吉野裕行)、ティエリア(CV: 神谷浩史)ら4人のガンダムマイスター達。武力介入を行ないながらも、その最中に人命救助を行なうなど、彼らの存在に世界は混乱。存在を否定するかのごとくテロが起きる一方、彼らを正義だと称える声もあり、賛否両論が巻き起こる。また、日本に暮らすごく普通の学生、沙慈(CV: 入野自由)も世界の変革へと徐々に巻き込まれていく。
各国家群は己の威信をかけ、ガンダムを手に入れようと様々な作戦を実行。各国家群のエースパイロット達も出撃するが、ガンダムとの性能差の前にことごとく敗北、CBは着実に武力介入を達成していった。そうした中で、各国家群は合同軍事演習を名目に、大規模なガンダム鹵獲作戦を決行。圧倒的な物量を前についにガンダムも敗北するかと思われたその時、「トリニティ」を名乗る新たなガンダムマイスター達が出現する。彼らによって窮地を救われた刹那達だったが、彼らはこれまでの武力介入を手緩いものとし、より過激な武力介入を始めた。
民間人をも巻き込むトリニティの武力介入に疑問を感じた刹那達は彼らと決別するも、彼らの介入による市民達の憎悪がCBに向けられていた。そんな中、CBの監視者の1人であるアレハンドロの裏切りにより、「擬似太陽炉」こと「GNドライヴ」が各国家群へと渡る。トリニティによる過激な武力介入は、CBの計画を掌握しようとする彼の計略であり、CB討伐のための国連軍結成を促するための布石だった。用済みとなったトリニティは始末され、さらには謎の少年リボンズ(CV: 蒼月昇)の協力によって、計画の要の量子コンピュータ(量子型演算処理システム)「ヴェーダ」も掌握されてしまう。
擬似太陽炉搭載機を手に入れた各国家群は、国連軍を組織し、ガンダム殲滅作戦を決行する。CBの計画は破綻し、仲間を次々と失いながらも、戦いの果てに平和があると信じ、刹那達は最終決戦へと挑む。死闘の末にアレハンドロは倒されるが、CBも壊滅的な打撃を受けメンバーも離散することとなる。
セカンドシーズン
西暦2312年。各国家群は地球連邦として統一を果たし、世界は1つになりつつあった。しかしその裏では独立治安維持部隊「アロウズ」によって、反連邦主義や思想への弾圧や虐殺が行なわれており、世界は未だに歪んだままであった。夢を叶えて宇宙技術者となった沙慈はアロウズによる弾圧に巻き込まれ、国連軍との決戦を生き延びるも孤独となった刹那は再び戦いへと身を投じていた。
アロウズによって捕えられていた沙慈と偶然再会した刹那は、彼を救出し満身創痍のガンダムで戦うが、すでにアロウズの機体は従来のガンダムの性能を超えており、苦戦を強いられる。しかし、そこに水面下で活動していたティエリアを始めとする新生CBが救援に現れ窮地を脱した。先の戦いで死亡したロックオンことニールに代わり、弟のライルを加え、アロウズに捕えられていたアレルヤを救出し、新しいガンダムでCBは再び歪んでいく世界に戦いを挑む。
戦いの中で反連邦組織「カタロン」と合流するが、CBの介入がガールフレンドのルイス(CV: 斎藤千和)との別れと、姉の絹江を失う間接的な要因を作ったと思う沙慈は、未だ戦いをやめようとしない彼らに反発し逃亡、そこを連邦正規軍に拿捕されてしまう。事情を説明し潔白を証明しようとしたが、その行動が原因でカタロンの基地がアロウズに襲撃され、多数の人命が失われてしまう。その軽率な行動を「無自覚な悪意」だと沙慈はティエリアに責められ、戦いから目を逸らし続けてきた彼はその償いのためにCBに同行する決意をする。
調査の末、アロウズを影で操っていたのは、イオリアの真の計画のために生み出された人工生命体「イノベイド」達であることを突き止める。倒すべき敵を見つけたものの、アロウズは日増しにその力を強め、ついには衛星兵器「メメントモリ」によって、中東の一国を滅ぼすほどとなっていた。情報統制によって真実は世界に伝えられぬままではあったが、歪みは連邦内でも確実に広まっていた。沙慈は戦いの中での偶発的な要因から、ダブルオーガンダムの支援機であるオーライザーのパイロットとなり、ダブルオーとの合体を成功させCBの危機を救うが、直後の未知なる現象により、ルイスが家族の復讐のためアロウズに所属していることを知る。激しく苦悩する沙慈だったが、彼女を救うことと無意味な戦いを止めるための「守るための戦い」をすることを誓った。
CBがメメントモリの破壊に成功してから数日。連邦内でクーデターが起こり、市民6万人が人質にとられアフリカの軌道エレベーターが占拠される。彼らの目的は人質達にアロウズの蛮行を伝え、真実を世に知らしめることだった。しかしアロウズは真実が露見する前に、密かに建造していたもう1基のメメントモリで、人質ごと軌道エレベーターを破壊し隠滅を図る。刹那達は再びメメントモリの破壊へと向かうが、メメントモリの攻撃によって軌道エレベーターは崩壊し、地表には無数の破片が降り注ぐ大惨事へと発展した。この時には、CB・連邦正規軍・アロウズ・カタロン・反乱軍が協力して破片落下阻止に当たった。後に「ブレイク・ピラー」と呼ばれるこの事件は反連邦勢力の仕業として公表され、アロウズは強硬な姿勢を強めていくが、その一方で皮肉にも人々の意思は1つとなっていた。
「ブレイク・ピラー」事件から4か月。CBは2基目のメメントモリの破壊を成功させ、「ヴェーダ」奪還のために動き出した。CBの下にはカタロン、更に様々な事件を機に決起した連邦正規軍も加わり、アロウズ・イノベイター勢力との最終決戦が行われる。ダブルオーのトランザムバーストの発動によりヴェーダは奪還され、ルイスも憎しみの感情から解き放たれた。
戦いは、自分こそが人類を導く存在だと自負するイノベイター勢力の首魁リボンズと、未来のために戦う刹那の一騎討ちによって締め括られる。イノベイター勢力は敗北し、数々の所業を暴かれたアロウズは解体され、CBは今後も紛争の抑止力となって戦い続ける道を選択する。