- 放課後、扇は不思議なことを言い出した。彼女はとある事情から転校を繰り返しており、新しい学校に来るたびにその図面を作成しているという。そして、直江津高校の図面を作成したところ不思議な点があるのだと。図面上は3階の視聴覚室が奇妙に細長くなっているはずが、中からはそうは見えない。もしかしたらそのスペースには何か隠し部屋があるのかもしれないと。暦と扇はその隠し部屋を発見し、中に入るのだが、その部屋から出られなくなってしまう。時計が止まり、扉も窓も接着剤で張り付けられたように動かない。窓や扉を破壊しようにも机も椅子も跳ね返されてしまう。まるで、時が止まったかのように。
- 扇は何らかの怪異現象では無いかと言いだし、暦は二年前のある事件を思い出す。犯人が分かるまで決して出られない教室で、暦は自分が孤立した原因となった「物語」を扇に語る。
- 中巻
- 夏休みが終わって二学期が始まった直後、吸血鬼もどきの高校生阿良々木暦はほぼ半年ぶりに生身の人間に戻っていた。普段は彼の影に潜んでいるはずの吸血鬼・忍野忍(CV: 坂本真綾)がとある事件によって、影から消えてしまったからである。そのような状態で怪異の専門家・臥煙伊豆湖(CV: ゆきのさつき)に、暦の後輩である神原駿河を呼び出してほしいと頼まれる。
- 依頼通り、暦は駿河を学習塾跡に呼び出すのだが、そこで二人は恐ろしい力を持つ謎の鎧武者に襲われる。突如建物を火災が襲った事で辛くも命拾いした二人は、忍、そして伊豆湖と再会し、その鎧武者の正体が、400年の時を経て復活した忍の最初の眷属・初代怪異殺しである事を知る。
- 少年の姿で再び暦の前に現れた初代怪異殺しは忍との復縁を望むが、忍は頑なに拒絶、暦は伊豆湖に呼び出された吸血鬼ハンター・エピソード(CV: 入野自由)と共に、初代怪異殺しと対決する。
- 下巻
- 三月中旬、大学受験当日の朝に臥煙伊豆湖に殺された阿良々木暦は、八大地獄のうち最も重い罪を犯した人間の送られる地獄、阿鼻地獄(あびじごく)で八九寺真宵と再会する。伊豆湖に遣わされた真宵に話を聞くと、暦が殺されたのは伊豆湖の作戦の一環であり、妖刀「夢渡(ゆめわたり)」の力によって暦は生き返られることを知る。
- 暦はかつて自身が経験してきた場面の再現を案内されつつ、伊豆湖と真宵の仲介役に出会うこととなる。それは、かつて死体の憑藻神・斧乃木余接(CV: 早見沙織)に殺された人形使い・手折正弦だった。
- 余接に殺された正弦が人形であった事を知った暦は、天から降りてきた白蛇に掴まって現世に戻るよう促される。白蛇を掴んだ暦は、引き上げられる間際に真宵を抱いて、現世に連れ帰ってしまう。