主人公・奥村燐(CV: 岡本信彦)とその双子の弟・雪男は、神父・藤本獅郎(CV: 藤原啓治)に育てられ、修道院で暮らしていた。中学卒業から間もないある日、燐は「悪魔」の存在を知る。燐は悪魔の王「魔神(サタン)」が人間に産ませた息子であり、その力を継いでいた。祓魔師(エクソシスト)の獅郎は、この世界には人間の住む「物質界(アッシャー)」と悪魔の棲む「虚無界(ゲヘナ)」があること、悪魔は「物質界」の物質に憑依して人間に干渉してくることを告げる。
サタンは、獅郎に憑依することで燐の前に現れ、彼を「虚無界」へ連れ去ろうとする。燐は、獅郎から渡された、自らの悪魔の力を封印していた降魔剣「倶利伽羅」を抜く。そして、サタンの力である青い炎を解き放ち、かろうじて撃退に成功する。だが、サタンに体を乗っ取られた獅郎は、サタンから燐を守るために戦い、命を落とした。
獅郎の葬儀で、獅郎の友人にして「正十字騎士團」の祓魔師メフィスト(CV: 神谷浩史)・フェレス(CV: 神谷浩史)が、燐を殺しに現れる。そこで燐は、獅郎の仇であるサタンを倒すべく、祓魔師になることを宣言する。メフィストは燐を受け入れ、名門私立「正十字学園」に入学させた。燐は学園内に設けられた祓魔師養成機関「祓魔塾」へ入り、既に祓魔師として活動していた雪男の指導のもと、同じく祓魔師を志す仲間たちと共に学んでいく。
- 第1巻
- 燐は雪男と同じ正十字学園に入学し、祓魔塾で訓練を始める。雪男はすでに経験を積んだ祓魔師となっており、祓魔塾の講師だった。
- 燐と雪男は、祓魔師用品店の娘・杜山しえみ(CV: 花澤香菜)と出会う。彼女は悪魔に付け入られ、足が不自由になっていた。二人の助けで歩けるようになったしえみは、祓魔塾に通い始める。
- 第2巻
- 燐・しえみに加え、勝呂竜士(CV: 中井和哉)・志摩廉造(CV: 遊佐浩二)・三輪子猫丸(CV: 梶裕貴)・神木出雲(CV: 喜多村英梨)ら祓魔塾生は、強化合宿中、悪魔に襲撃される。だがそれは、祓魔塾塾長・メフィストによる認定試験であった。燐たちは「祓魔塾生(ペイジ)」から「候補生(エクスワイア)」に昇格する。
- 第3巻
- 獅郎の使い魔だった猫又(ケット・シー)のクロ(CV: 高垣彩陽)が、獅郎の死を知り、暴走する。燐の説得で獅郎の死を受け入れたクロは、使い魔として燐と共に生活するようになる。
- 燐は任務中、強大な悪魔である「地の王」アマイモン(CV: 柿原徹也)に襲撃され、力を暴走させてしまう。だが、正十字騎士團ヴァチカン本部の監察官・霧隠シュラ(CV: 佐藤利奈)に救われる。シュラは獅郎の弟子で、彼が隠していた「サタンにまつわる何か」を調査していた。シュラはサタンの息子である燐を始末しようとする。燐は、獅郎が最強の祓魔師「聖騎士(パラディン)」であったことを知り、自分を育てた獅郎の正しさを証明するため、「聖騎士」になると宣言する。燐の強固な意志を知ったシュラは、処分を保留とし、燐の修行に手を貸す。
- 第3巻 - 第5巻
- 一学期終了日、候補生たちは林間合宿を始める。仲間たちと協力し、実戦訓練の課題をクリアするが、そこでアマイモンに襲われる。燐はアマイモンに対抗するため、青い炎を使い、仲間たちに正体が知られてしまう。燐は現「聖騎士」のアーサー(CV: 小野大輔)・オーギュスト・エンジェル(CV: 小野大輔)に捕らえられ、正十字騎士團のヴァチカン本部に連行される。懲戒尋問でメフィストは、「獅郎は燐を、サタンと戦う武器とするために育てていた」と明かす。燐はメフィストのとりなしにより、半年後の祓魔師認定試験に合格することなどを条件として、処刑を免れる。そして雪男・シュラの監督のもと、炎を制御する訓練を始めることになる。
- 京都・不浄王編(第5巻 - 第9巻)
- 正十字学園最深部に封印されていた「不浄王の左目」が奪われる。犯人は、悪魔落ちした祓魔師・藤堂三郎太。燐たちは、京都出張所に封印されている「右目」の警護を応援するため、京都へ向かう。京都出張所は、構成員の多くが「明陀宗」という仏教宗派に属している。明陀宗は世襲制の組織体制をとっており、竜士の父・達磨大僧正が頭首であった。達磨は祓魔師として活動する門徒たちと距離を置き、不可解な行動をとっていた。
- 疑念を募らせた僧正家の宝生蝮は、藤堂に協力し、右目を奪い去ってしまう。竜士はなおも真意を明かさない達磨に詰め寄る。燐はそれを止めようとするが、禁止されていた炎を使ってしまい、監房に入れられてしまう。達磨は蝮を追う一方で、燐に手紙を残し、彼と獅郎、降魔剣とのつながりを明かす。
- 「両目」を手に入れた藤堂は、江戸時代に数万人を殺したという悪魔「不浄王」を復活させる。さらに達磨の使い魔・伽樓羅(カルラ)を喰らい、自らの身体に憑依させる。藤堂に騙されていたことを知った蝮は、京都出張所に戻り、達磨を助けてほしいと懇願する。不浄王は瘴気を撒き散らし、計り知れない犠牲者を出そうとしていた。
- 燐は炎の暴走により自信を喪失し、降魔剣を抜けなくなってしまう。だが仲間たちに救出され、共に不浄王討伐へ向かう。燐と竜士はクロに乗り、不浄王の心臓を焚滅しに向かう。一方雪男は、伽樓羅を取り込み不死の身体を得た藤堂に追い詰められる。燐は、竜士らの信頼に答え、火の悪魔・烏枢沙摩(ウチシュマー)の力を借りて不浄王討伐に成功する。
- 第9巻
- 燐たちは京都からの帰路、熱海の湾岸で、大王烏賊(クラーケン)討伐任務に加わる。燐・雪男・しえみは、古の海神(ワダツミ)・海津見彦と出会い、その力添えを得て討伐に成功する。
- 第10巻 -
- 夏休みが終わり、二学期が始まった。正十字学園では「七不思議」が流行り出し、悪魔が見えるという人間が急増していた。燐たちは、七不思議の噂の元になった悪魔と戦うことになる。一方、世界各地では、「不浄姫」の復活と「悪魔喰い(デーモンイーター)」の出現、人工「虚無界の門(ゲヘナゲート)」発見など、異変が相次いでいた。その背後にあるのは、藤堂も所属する組織、啓明結社「イルミナティ」であった。